- 2014-05-17 18:54:01
- 大川市がこれからおもしろい理由
-
カテゴリ: 日記
こんばんは、岩永です。
今週水曜日、
2件の研修で講師をしてきました。
1件目は、
大分県日田市にあるとある企業の
社員研修として。テーマは「コミュニケーション」。
2件目は、
大川市の女性市職員の学習会で、
テーマは「仕事・私生活・モチベーション」。
夕方から始まる2件目の大川市は、
女性の市職員ということで、
人数も多いので、会議室ではなく、
タージという大きなログハウス?のカレー屋さん。
もともと、昨年に大川市の男女共同参画で、
ファシリテーターとして呼んでいただき、
そのご縁で、今回のお話をいただきました。
内容も講演というより、対話型の場づくり。
研修+レクレーション(食事)という内容で、
女性たちの中に1人男性が混じって、
最後まで一緒に食事しました。
そして大川のことをまたいろいろ聞けました。
世界はこれから「木」の時代がくる?
いま、ヨーロッパを中心に、
木造のビルがちょこちょこ出てきているって
知っていましたか?
ビルといっても
こんな感じのではないですよ。
![a0022_000060.jpg](http://blog.tenjin-univ.net/images/20140517180029_m.jpg)
建築途中のですが、
こんな感じのもの。
![BTcHUpSCMAAZvPY.jpg](http://blog.tenjin-univ.net/images/20140517180109_m.jpg)
「えっ!?木で高層ビル?
危なくないの??」
誰もがそう思いそうですが、
実は日本の代表的な木造建築で使われるような
1本の木から、1本の柱にして・・・
というものではないんです。
数枚の板を張り合わせて
1本の柱にしたり、板にしたり、
という集成材と呼ばれるものです。
実はこれが、
鉄筋コンクリート並の強度で、
かつ火事にめっぽう強いらしい。
「えっ!燃えないの?」
正確に言うと燃えますが、
数枚の板を張り合わせているので、
手前の板は燃えても、
2枚目・3枚目くらいから燃えない。
よって反対側まで燃えない、らしい。
実験によると、
集成材で建てた家を中から燃やして、
炎が窓から出ていても、
外から壁に触っても熱くないのだとか。
鉄筋コンクリートだったら
近づくのも無理なくらい熱くなるのに。
ということで、
海もない、石油も石炭もない、
資源と呼ばれるものは森しかない
(それでも国土の15%程度しかない)
オーストリアが、今では林業大国に。
鉄筋コンクリートより
重くなく、また趣があるため、
人気だそうです。
さらにさらに
木材加工で出た木くずを固めたチップ、
木質ペレットと呼ばれるこれが、
燃やすと熱効率がたいへんよく、
煙もあまり出ずに長時間燃えてくれるということで
「火力発電」に使えるとか。
さらにエコストーブと呼ばれるもので、
様々な家庭の火力をまかなっていたり、らしい。
日本でもようやくその価値が見直され、
木造建築も、この集成材であればOK!
みたいな規制緩和も起こり始めているそうで、
横浜市営地下鉄「センター南」駅前の
地下1階、地上4階の商業施設「サウスウッド」が
国内初の木造高層ビル。
→ サウスウッド
このような、コンクリートの時代から逆行し、
木の時代に戻ろうとしている流れが世界的に
起こりはじめようとしています。
NHKでは「里山資本主義」という名前で、
藻谷さんが本も出版し、全国的に広がりを見せています。
→ 里山のチカラ(NHKオンライン)
女性の可能性
女性の管理職比率を上げよう!
と国(内閣府)ががんばっていますが、
この20年間、あんまり進んでいません。
男女雇用機会均等法ができて、
30年経って、今の若者たちは仕事において男女差を感じることは
あまりなくなってきました。
しかし、上の世代、
管理職・役員にはまだまだ。
世界的に見ると、
女性の管理職比率が高いほど、
その組織・地域・国の、一人当たりの
「生産性」と「所得」が向上するという
強い相関があります。
相関なので、そこにどのような因果関係があるかは
まだまだ解明されていないようですが、
ここ日本でもリーマンショック前と後と
5年間の追跡調査で、上場企業の成績を
とある切口で分析したものが昨年記事になっていました。
会社の時価総額は、
リーマンショックがあったので、
どのグループも下がっていましたが
・売上高
・経常損益
・平均年間給与
の3つで比較。
Aのグループはいずれも下がっていて
上から
・93%
・67%
・97%
しかしBグループは
・115%
・117%
・102%
いずれも上がっています。
このAとBの違いは・・・?
役員に女性がいるか、いないか。
女性が役員にいる企業は
5年前、リーマンショックを経ても
いずれも下げていないのです。
なぜ??
そしてもうひとつのデータを紹介します。
共働きです。
専業主婦という言葉がある我が国では
ひとつの成りたい職業みたいな位置づけで、
保守的な最近の若者には、人気の職業みたいです。
ですが現状は・・・
働く女性より、専業主婦の方が
ストレス度合が高く、
「うつ病」と診断された人が多く、
幸福度調査でも断然働く女性の方が幸福。
なんと、共働きが多い地域ほど、
幸福度が高く、犯罪が起きにくいという相関が。
幸福度は不幸度より伝染しやすく、
自分から数えて3人目まで伝染します。
こちらも因果関係までは
研究者でもないので知らないのですが、
家庭だけの社会の女性より、
家庭と職場という2つ以上の社会を持っている女性の方が
ストレスを溜め込みにくいのでしょうね。
大川市の未来のカギは女性?
大川市の管理職の女性比率は、
けっこう低いです。約10%。
ですが、共働き率は高い。
個人で家具店や家具工房などしているから??
(男性の所得が低いから?という声もありましたが)
共働き率は、都会ほど低くなり、
実はこの傾向は、少子化とも関係してきますが、
共働き率が高いほど、子どもを多く産んでいます。
大川市の共働き率は約35%と高い。
福岡市は23%くらい。
今後、
女性の管理職比率が上がっていき、
共働き率をキープ、ないし上げていけば、
大川市の未来は明るいかもしれません。
高齢化率も高いんですが、
家具という日本一の武器を持っています。
人口3万6千人ほどの街が、
まだまだ変われるチャンスもあり、
武器も持っている。
普通、こんな世界に挑戦できる武器を持ってる地域、
そうそうないですよね。
さらに、
大川市長はたいへん若い!!
組織のリーダーは、
その組織で働く人の生産性を左右します。
リーダーによって、不満の度合いが変わり、
(44%が不満か、1%が不満か)
生産性は約9倍ほど違うそうですから。
若い方が変化に強く、
スピードも速いことが予想できます。
ちなみに、
大川市の職人たちは数々の賞をとっており、
内閣総理大臣賞・経済産業大臣賞・文部科学大臣賞など
市役所1階にその作品を展示しているとか。
さらにさらに、
大川市職員のデスクは「木」になったとか!
そんなオフィスで仕事しているって、
ちょっとステータス感じますよね。
今後の大川市が楽しみですね★
今週水曜日、
2件の研修で講師をしてきました。
1件目は、
大分県日田市にあるとある企業の
社員研修として。テーマは「コミュニケーション」。
2件目は、
大川市の女性市職員の学習会で、
テーマは「仕事・私生活・モチベーション」。
夕方から始まる2件目の大川市は、
女性の市職員ということで、
人数も多いので、会議室ではなく、
タージという大きなログハウス?のカレー屋さん。
もともと、昨年に大川市の男女共同参画で、
ファシリテーターとして呼んでいただき、
そのご縁で、今回のお話をいただきました。
内容も講演というより、対話型の場づくり。
研修+レクレーション(食事)という内容で、
女性たちの中に1人男性が混じって、
最後まで一緒に食事しました。
そして大川のことをまたいろいろ聞けました。
世界はこれから「木」の時代がくる?
いま、ヨーロッパを中心に、
木造のビルがちょこちょこ出てきているって
知っていましたか?
ビルといっても
こんな感じのではないですよ。
![a0022_000060.jpg](http://blog.tenjin-univ.net/images/20140517180029_m.jpg)
建築途中のですが、
こんな感じのもの。
![BTcHUpSCMAAZvPY.jpg](http://blog.tenjin-univ.net/images/20140517180109_m.jpg)
「えっ!?木で高層ビル?
危なくないの??」
誰もがそう思いそうですが、
実は日本の代表的な木造建築で使われるような
1本の木から、1本の柱にして・・・
というものではないんです。
数枚の板を張り合わせて
1本の柱にしたり、板にしたり、
という集成材と呼ばれるものです。
実はこれが、
鉄筋コンクリート並の強度で、
かつ火事にめっぽう強いらしい。
「えっ!燃えないの?」
正確に言うと燃えますが、
数枚の板を張り合わせているので、
手前の板は燃えても、
2枚目・3枚目くらいから燃えない。
よって反対側まで燃えない、らしい。
実験によると、
集成材で建てた家を中から燃やして、
炎が窓から出ていても、
外から壁に触っても熱くないのだとか。
鉄筋コンクリートだったら
近づくのも無理なくらい熱くなるのに。
ということで、
海もない、石油も石炭もない、
資源と呼ばれるものは森しかない
(それでも国土の15%程度しかない)
オーストリアが、今では林業大国に。
鉄筋コンクリートより
重くなく、また趣があるため、
人気だそうです。
さらにさらに
木材加工で出た木くずを固めたチップ、
木質ペレットと呼ばれるこれが、
燃やすと熱効率がたいへんよく、
煙もあまり出ずに長時間燃えてくれるということで
「火力発電」に使えるとか。
さらにエコストーブと呼ばれるもので、
様々な家庭の火力をまかなっていたり、らしい。
日本でもようやくその価値が見直され、
木造建築も、この集成材であればOK!
みたいな規制緩和も起こり始めているそうで、
横浜市営地下鉄「センター南」駅前の
地下1階、地上4階の商業施設「サウスウッド」が
国内初の木造高層ビル。
→ サウスウッド
このような、コンクリートの時代から逆行し、
木の時代に戻ろうとしている流れが世界的に
起こりはじめようとしています。
NHKでは「里山資本主義」という名前で、
藻谷さんが本も出版し、全国的に広がりを見せています。
→ 里山のチカラ(NHKオンライン)
女性の可能性
女性の管理職比率を上げよう!
と国(内閣府)ががんばっていますが、
この20年間、あんまり進んでいません。
男女雇用機会均等法ができて、
30年経って、今の若者たちは仕事において男女差を感じることは
あまりなくなってきました。
しかし、上の世代、
管理職・役員にはまだまだ。
世界的に見ると、
女性の管理職比率が高いほど、
その組織・地域・国の、一人当たりの
「生産性」と「所得」が向上するという
強い相関があります。
相関なので、そこにどのような因果関係があるかは
まだまだ解明されていないようですが、
ここ日本でもリーマンショック前と後と
5年間の追跡調査で、上場企業の成績を
とある切口で分析したものが昨年記事になっていました。
会社の時価総額は、
リーマンショックがあったので、
どのグループも下がっていましたが
・売上高
・経常損益
・平均年間給与
の3つで比較。
Aのグループはいずれも下がっていて
上から
・93%
・67%
・97%
しかしBグループは
・115%
・117%
・102%
いずれも上がっています。
このAとBの違いは・・・?
役員に女性がいるか、いないか。
女性が役員にいる企業は
5年前、リーマンショックを経ても
いずれも下げていないのです。
なぜ??
そしてもうひとつのデータを紹介します。
共働きです。
専業主婦という言葉がある我が国では
ひとつの成りたい職業みたいな位置づけで、
保守的な最近の若者には、人気の職業みたいです。
ですが現状は・・・
働く女性より、専業主婦の方が
ストレス度合が高く、
「うつ病」と診断された人が多く、
幸福度調査でも断然働く女性の方が幸福。
なんと、共働きが多い地域ほど、
幸福度が高く、犯罪が起きにくいという相関が。
幸福度は不幸度より伝染しやすく、
自分から数えて3人目まで伝染します。
こちらも因果関係までは
研究者でもないので知らないのですが、
家庭だけの社会の女性より、
家庭と職場という2つ以上の社会を持っている女性の方が
ストレスを溜め込みにくいのでしょうね。
大川市の未来のカギは女性?
大川市の管理職の女性比率は、
けっこう低いです。約10%。
ですが、共働き率は高い。
個人で家具店や家具工房などしているから??
(男性の所得が低いから?という声もありましたが)
共働き率は、都会ほど低くなり、
実はこの傾向は、少子化とも関係してきますが、
共働き率が高いほど、子どもを多く産んでいます。
大川市の共働き率は約35%と高い。
福岡市は23%くらい。
今後、
女性の管理職比率が上がっていき、
共働き率をキープ、ないし上げていけば、
大川市の未来は明るいかもしれません。
高齢化率も高いんですが、
家具という日本一の武器を持っています。
人口3万6千人ほどの街が、
まだまだ変われるチャンスもあり、
武器も持っている。
普通、こんな世界に挑戦できる武器を持ってる地域、
そうそうないですよね。
さらに、
大川市長はたいへん若い!!
組織のリーダーは、
その組織で働く人の生産性を左右します。
リーダーによって、不満の度合いが変わり、
(44%が不満か、1%が不満か)
生産性は約9倍ほど違うそうですから。
若い方が変化に強く、
スピードも速いことが予想できます。
ちなみに、
大川市の職人たちは数々の賞をとっており、
内閣総理大臣賞・経済産業大臣賞・文部科学大臣賞など
市役所1階にその作品を展示しているとか。
さらにさらに、
大川市職員のデスクは「木」になったとか!
そんなオフィスで仕事しているって、
ちょっとステータス感じますよね。
今後の大川市が楽しみですね★
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